ミャンマー中部で3月28日に発生した大地震から3カ月近く経ちます。同国第2の都市マンダレーやザガイン、首都ネピドーなどで甚大な被害が発生し、死者は3,700 人、負傷者は5,100人を超えました。AAR Japan[難民を助ける会]は、4月2日から現地協力団体と連携して緊急支援物資を配付してきましたが、ニーズ調査をもとに5月下旬から6月初旬にかけて、マンダレーとザガインで物資配付に加えて現金給付を実施しました。

被災者のお年寄りに支援物資と現金を手渡すAAR 職員=マンダレーで2025 年5 月24 日
被災地では今も多くの人々が古いシートや廃材でできた仮設テントで生活しています。AARがニーズ調査を実施した4月中旬は、雨季が目前に迫っており、激しい雨や浸水から身を守るシェルターとして、より防水性の高い新しいシートやテントの配付が検討されていました。しかし、現地ではそうした物資は高価なうえに品薄です。一方で、被災者の多くが臨時のシェルターよりも自宅を修繕することを希望していることが分かりました。そこで、AARは家の屋根や壁を修繕するほうが、より適切かつ迅速な雨季対策になると判断し、物資配付に加えて現金給付を行うことにしました。

竹材とビニールで作ったテント暮らす被災者=ザカインで6月2日
AARは5月下旬から6月初旬にかけて、マンダレーとザガイン両地域の1,000世帯に対して現金を支給しました。現金を受け取った被災者の多くは、食料や日用品の購入、自宅の修繕代などに充てており、ザガインの仮設シェルターで避難生活を送るウーヒューさん(仮名・40歳代)は「仕事がなくなり収入もないので、必要なことに使える現金の支援は本当にありがたい。まだまだ苦しい状況が続くので、日本からの支援を続けてほしい」と話しました。

被災世帯を一軒一軒訪問して現金給付と物資配付をするAAR緊急支援チーム=マンダレーで5月25日
ミャンマーでは2021年2月以降、全国各地で武力衝突が続いており、政治・経済・社会の混乱が収まらない中で、今回の大地震が発生しました。もともと国民の3分の1にあたる1,700万人が貧困に苦しんでいましたが、この地震によって貧困層がさらに3割以上増加することが懸念されています。AARは「誰も取り残されない」被災地の復旧・復興のために、地道な支援を続けてまいります。引き続き、AARのミャンマー地震支援へのご協力をお願い申し上げます。
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