ミャンマー中部で2025年3月に発生した大地震では、地震に関する防災知識や備えが不十分だったことが各地での被害を拡大させました。被災地となった中部地域では複数の活断層が走り、余震が多く発生しています。AAR Japan[難民を助ける会]は被害の大きかったザガイン市で、今後起こり得る災害に地域全体で備えてもらうための取り組みを行っています。

防災啓発のセッションで、AARスタッフ(左)の説明に聞き入る被災者=ザガイン市で2025年11月
防災を求める住民の声
AARの事務所があるヤンゴンから車で半日以上かかるザガイン市は、昨年3月の地震で被害の最も大きかった町のひとつです。東に隣接する国内第二の都市マンダレーと比べると支援が届きにくく、AARは地震発生直後からザガイン市を中心に支援を続けてきました。
ミャンマーでは、もともと日本のように防災意識が高いとはいえず、特に地震に対する備えは、行政も住民も十分ではありませんでした。大地震から半年以上経っても余震が続く中、被災地では「また地震が起きたらどう行動すべきか」「起きる前にどんな備えをすればいいのか知りたい」という声が多く聞かれるようになり、AARは地域の防災を強化する活動を行うことにしました。
理解しやすい防災リーフレットを制作
防災啓発を行うにあたり、AARの支援チームと提携ボランティア団体の計16人が防災専門家の研修を受けて住民に伝えるべき知識を学び、誰でも直感的に理解できるよう、イラストを多く使った防災リーフレットを制作しました。リーフレットには、ザガイン市を含むミャンマー中部が地震リスクの高い地域であることを示した地図を掲載したうえで、防災教育や避難準備、地域協力の重要性を強調しました。「机の下に隠れ、倒れそうな家具から頭を守る」「屋外では建物や電柱から離れる」などの避難行動のほか、非常食や現金、身分証明書のコピー、衣類、充電器など、非常時に持ち出すべき物が一目でわかるよう記載されています。

被災者に配った防災リーフレット
物資配付にあわせた啓発
AARは2025年10月から11月にかけて、ザカイン市で食料や日用品などの物資を1,445人に配付し、この際に防災啓発セッションも行いました。支援チームのメンバーは防災リーフレットを高く掲げ、大きな声で災害への備えを説明しました。当地では、大人数での集会が禁じられていることから、対象者を少人数のグループに分けて、開催回数を増やして開催しました。活動後の聞き取り調査では「啓発セッションが大変役に立った」という声が多く聞かれました。
セッションに参加したソエ・ミャッ・ティンギさん(仮名)は、「地震が起きた時は地面が大きく揺れ、どうすべきかわからなかった。でも、研修を受けてから身分証や財産関連書類などをビニール袋にまとめ、すぐに持ち出せるよう、家族と保管場所を決めた。身を守る安全対策も共有した」と話していました。ミャンマーでの防災に関する啓発活動は、私たちAARにとっては初めての挑戦でしたが、被災者だけでなくスタッフの防災意識も向上させることができ、学びの多い活動となりました。
ザガイン市は、郊外で政府軍と反政府勢力の武力衝突が続くなど治安面でも困難が多い地域です。そんな中でも支援チームは常に安全に気を配り、工夫しながら活動を続けています。復興への道のりはまだ長いですが、AARは日本が強みを持つ防災分野の活動も含め、息の長い支援を続けてまいります。これからも、AARのミャンマー地震被災者支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。
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