米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を契機に、中東地域の情勢は急速に悪化しています。AAR Japan[難民を助ける会]は、現地協力団体と連携してレバノンの国内避難民に食料を届ける緊急支援を開始しています。

食料を運ぶ協力団体のスタッフ/すぐに食べられる食事を配付/避難所で食事する人々
66万人が避難民に
国連機関によると、レバノンでは66万人以上が安全な場所を求めて各地へ避難しており、大規模な混乱が生じています。特に、首都ベイルートに隣接する山岳レバノン県には多くの避難者が逃れており、学校や公共施設を利用した189カ所の一時避難所に約2万8千人が身を寄せています。
今後さらに避難者が増えることが懸念される中、これらの避難所の9割以上はすでに収容能力の限界に達しています。多くの避難所は調理設備を備えておらず、約半数の避難所では十分な食料が確保できていません。飲料水や燃料の確保すら困難な状況の中、人々は避難先で厳しい生活を余儀なくされています。
食料配付を開始
AARは、避難所に避難した人々を対象とした食料支援を開始しました。これまでもレバノンで協働してきた現地団体ShareQと連携して、衛生的な食品工場で作られたすぐに食べられる調理済みの食料を避難所へ届けています。配付にあたっては、高齢者や障がい者、乳幼児連れの世帯など、特に配慮が必要な人々が優先されるよう調整しています。

ShareQが作る食事=2025年4月撮影
AARとShareQはオンライン会議で支援計画の調整を行っています。その中でShareQの事業担当者は、「今回の爆撃はこれまでのものとはまったく違います。攻撃の規模が大きいことに加え、標的がはっきりしないまま広い範囲に爆弾が落ちてくることに、強い恐怖を感じています。しかも、いつ終わるのかが分かりません」と話します。
現地では食料の輸送中に爆撃に巻き込まれる可能性もあり、食品工場から避難所まで食事を運ぶことが難しい状況が続いています。「レバノンは長年、紛争や経済危機、大規模爆発事故など、たくさんの困難に直面してきました。私も含め、多くの人々が避難や移住を一度は経験しています。それでも、今の状況には、これまでに感じたことのないような恐怖を抱いています」とShareQのスタッフは話します。
激しさを増す暴力の連鎖の中で、国内避難民となってしまった人々の生活は厳しさを増しています。一人でも多くの命を守るため、AARの中東危機緊急支援へのご協力をお願い申し上げます。



