活動レポート Report

知識が命を守る:アフガニスタン地雷対策

2026年4月21日

AAR Japan[難民を助ける会]はアフガニスタンで、地雷や不発弾から身を守るための活動を20年以上にわたり実施しています。2024年11月から25年12月には、南東部ザブール県と首都カブール市で、子どもたちや隣国のパキスタンから帰還してきた人たちを対象に、1万回以上の研修を行いました。被害を防ぐもっとも確実な手段のひとつは、命を守る正しい知識を身に付けることです。地道な活動により、爆発物による死者数や事故件数が大幅に減っています。

リスク回避教育の様子

爆発物のリスクについて、真剣な表情で学ぶ子どもたち=ザブール県で2025年4月

20万人以上に研修を実施

アフガニスタン各地では、長年続いた紛争の影響で地雷や不発弾などの爆発物が今も人々の生活圏に残されており、気づかずに近づいて命を落とす事故が後を絶ちません。また、近年はパキスタン政府による外国人送還政策の強化などを背景に、国外に逃れていた多くの人々が帰還を余儀なくされています。爆発物のリスクを知らない帰還民や、子どもたちへの教育が急務となっています。

今回の事業は、タリバン暫定政権以前は治安が不安定で、支援がほとんど届いてこなかったザブール県と、多くの帰還民が集まる首都カブール市で実施しました。ザブール県では3郡90村で子どもを対象に、「見慣れない金属物に触らない」「発見したらすぐに大人に知らせる」といった講習会を1,613回実施し、約3万人が参加しました。

カブール市では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が運営する「帰還民支援センター」で1万725回の講習を行い、約20万2,500人が参加しました。パキスタンだけでなくイランからの帰還民も急増する中、3人のスタッフで構成される2チームを配置し、急増する帰還民に対応。通常は地雷原ディスプレイや啓発ビデオを用いた講習を実施しますが、時間が足りない場合は帰還民が乗る長距離バスにスタッフが同乗して短縮セッションを行うなど、現場の状況に合わせた柔軟な対応を重ねました。現場の創意工夫により、多くの人たちに知識を届けることができました。

カブールでの研修では、講習前に実施した爆発物の見分け方や対応方法に関する受講者の理解度調査が20%程度の低い水準でしたが、講習後には90%以上に向上しました。また、帰還民の受講者約130人を対象にインタビューした追跡調査では、爆発物による事故に遭った人は確認されていません。

地雷回避研修の様子

帰還民支援センターでの帰還民を対象にした地雷回避研修=2025年6月

死者数が9割減少

爆発物回避教育の成果は着実に現れています。ザブール県を含め過去3年間にAARが事業を行った地域のデータを比較すると、2020〜21年の2年間に56件あった事故数が、24〜25年には24件へと約57%減少しました。また、死亡者数は68人から6人へ91%減、負傷者数も111人から53人へ52%減りました。

また、AARの事業後も継続的に地域へ爆発物に関する知識が根付くよう、各地に「地域啓発員」を育成し、彼らを通じて啓発や情報共有を続けています。ザブール県シェラ村のネマトゥッラーさんもその1人で、「講習で学んだとおり、村の近くで爆発物を見つけた際に地雷ホットライン(電話相談窓口)へ通報しました。その後、政府の地雷対策チームが対応し、危険は取り除かれました。今は学んだ知識を周囲にも伝えています」と話しています。

このほか、コミュニティの公共スペースに啓発パネルを設置したり、ラジオ番組による注意喚起も行ったりして、人々が日常生活の中で繰り返し安全情報に触れられる環境を整えています。

情報共有会議の様子

各地から集まった地域啓発員の情報共有会=ザブール県で2025年11月

ザブール県では、AARの活動の成果が評価され県の経済局から「プロジェクトの取り組みや誠実さに対し、心からの感謝と賞賛を表明します」とする感謝状が贈られました。これまで支援が届きにくかった地域で、現地の人々が活動の意義を理解していることを示す、象徴的な出来事となりました。

このほか、AARは協力団体を通じて地雷や不発弾の除去にも取り組んでいます。2025年8月〜11月に実施した事業では、東部ロガール県で約65万m²が安全な土地になりました。これからも、アフガニスタンの人々が安全に暮らせるよう、地雷・不発弾対策に取り組んでまいります。AARの活動にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。

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