パキスタンでは2025年6月以降、各地で洪水が相次ぎ、全国で1,000人以上が亡くなり580万人以上が被災しました。AAR Japan[難民を助ける会]は同年11月から、被災地のひとつである北西部ハイバルパフトゥンハー州バタグラム郡で、被災した小学校への支援を行っています。事業担当の紺野誠二が報告します。

AARの職員による衛生啓発授業=バタグラム郡で2025年12月17日
洪水で学校や給水施設に被害
首都イスラマバードから車で約5時間のバタグラム郡は、約33万5,000人が暮らす、山に囲まれた風光明媚な地域です。主な産業は農業と牧畜業で、郡内を流れる多くの河川では、水力発電も行われています。
この地域では2005年に大規模な地震が発生し、バタグラム郡だけで4,500人以上が犠牲となりました。当時、私も地震被災者支援に従事しましたが、レンガ造りの家が押しつぶされていた光景を今でも覚えています。

洪水によって崩落した小学校の校庭=2025年11月27日
2025年6月~7月にはこの地域で断続的に大雨や洪水が発生し、50カ所以上の道路が寸断され、44カ所の給水施設、28校の学校施設が被害を受けました。洪水後にAARが行った現地調査では、学校の衛生状況の悪化が原因とみられる、眼や皮膚の疾患を訴える児童が多く確認されました。
こうした状況を受け、AARは洪水被害を受けた郡内の5つの小学校を対象に、学校施設を修繕し教育環境を改善するとともに、児童が身を守る力を養うため、防災や衛生に関する知識を広める活動を行うことにしました。
防災授業の実施や衛生キットの配付
活動の第一弾として、AARは2025年12月、各学校で、防災や衛生に関する授業を行いました。防災の授業では、「大雨が降ったら川から離れる」「ラジオから最新の情報を集める」など、災害時に取るべき基本的な行動を教えました。また、約20年前に発生した大地震についても説明し、地震の恐ろしさに加え、「姿勢を低くして頭部を守る」「落ち着いて行動する」「屋外へ避難後も倒れた家屋や電柱などに気をつける」など、身を守る方法を伝えました。
衛生の授業では、感染症予防の基本である、石けんを使った手洗いの徹底を重点的に呼びかけ、あわせて石けんやしらみ取りシャンプー、くしなどの「衛生キット」を子どもたちに配付しました。

「衛生キット」を受け取る子どもたち=2025年12月15日
このほか、地域や学校と連携しながら、学校の防護壁やトイレ、教室など、洪水の被害を受けた施設の修繕も順次進めていきます。安全で衛生的な学習環境で子どもたちが安心して過ごせるように、AARの活動にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。
ご支援のお願い
AARのパキスタン洪水被災者支援に
ご協力をよろしくお願い申し上げます。
AARは東京都により認定NPO法人として認定されており、
ご寄付は寄付金控除の対象となります。
※この活動は皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

紺野 誠二KONNO SeijiAARパキスタン事業担当
2000年AARに入職し、2005年パキスタン大地震の被災者支援に従事。その後も、東京とパキスタンを行き来しながらパキスタン事業に携わり、現在は、東京事務所で地雷・不発弾対策対策なども担当



