ケニア北西部のカロベイエ難民居住地と周辺の受け入れコミュニティには、「学用品がないから」という理由で通学をあきらめてしまう子どもたちが多くいます。AAR Japan[難民を助ける会]は教育支援の一環として、学用品や衛生用品などの配付を行いました。ケニア駐在員の中川梨緒奈が報告します。

学用品を受け取った子どもたちとケニア駐在員の中川梨緒奈=2026年3月
カロベイエ難民居住地には、南スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリアなどから逃れてきた約30万人の難民が暮らしています。貧困や家庭の事情などの理由から、学校に通えなかったり、通えても途中で辞めてしまったりする子どもたちが少なくありません。AARは、学校や地域の人々と協力して、教育の重要性を広く訴える活動や、問題を抱えた子どもたちや家族に働きかける活動を行ってきました。
地域ボランティアや教員による根気強い対話、カウンセラーによる支援を通じて、学校に通えるようになる子どもたちもいます。しかし一方で、ノートや鉛筆が手に入らずに、通学を断念する子どもたちも多いのが実情です。学用品を用意できないために、新学期が始まる1月に学校に来なくなってしまう子どももいます。日本では簡単に手に入るノートと鉛筆が、子どもたちの通学意欲を支える大きなアイテムになっています。

学用品を配付
皆さまからのご支援によって、今年は初等校(日本でいう小学1年生から中学3年生)に通う969人の生徒に学用品と衛生用品を配付することができました。配付内容は、ノート、ペン、鉛筆、消しゴム、固形石けん。低学年と高学年で、ノートのサイズや鉛筆・ペンの数など、内容を少しずつ変えています。また、高学年の女子生徒には生理用ナプキンも配付しました。
学用品を受け取ったボウルさんは笑顔で次のように話してくれました。「ほかのみんなが板書をしているのに、自分はノートを持っていないからただ座っているだけでした。本当にやる気がなくなってしまって、授業についていけないと感じることもありました。AARからもらった学用品のおかげで、積極的に授業に参加できるようになりました。今はテスト期間中ですが、このボールペンのおかげで無事にすべてのテストを受けることができました! 希望を持ち続けさせてくれて、ありがとうございます。自信を取り戻せました」。

ボウルさん
「子どもたちの学用品のためにご支援くださった一人ひとりの方々に感謝いたします」と、校長先生は話します。「これはただの寄付ではなく、より良い教育への投資であり、希望を失いかけていた子どもたちへの救いの手だと思っています。困難な状況にいる子どもたちの将来を変えていくことで、より明るい未来を共に築いていきましょう」。
日本のように1人一冊教科書を持つことのできないこちらの学校では、筆記用具などの学用品が教育を支える重要なツールとなっています。日本の皆さまからのご支援で届けられた学用品は、確実に現地の子どもたちの未来につながっています。皆さまの想いを現地に届け、現地の声を日本に届けられるよう、ケニアでの活動を続けてまいります。引き続き、皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。
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中川 梨緒奈NAKAGAWA Rionaカクマ事務所
国際関係・国際学を専攻した後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)勤務などを経てAAR入職。2023年1月よりケニア・カクマ事務所駐在



