活動レポート Report

ミャンマー非常事態1年「日本からの支援に感謝します」

2022年1月24日

男の子の前に食料が置かれている

AARが届けた食料などの支援物資

ミャンマーが非常事態に陥って2月1日で1年。政治・社会の混乱は収まる兆しを見せず、人々は不安と恐怖の中で暮らしています。一般市民の犠牲者は1,300人余り(1月下旬現在)に上り、新型コロナウイルスの感染拡大に政情不安が追い打ちをかける形で、人々を追い詰めています。

AAR Japan[難民を助ける会]はこの間、治安情勢に細心の注意を払いながら、障がい者や貧困世帯への食料配付、障がい児のサポートなどの支援活動を続けてきました。現地から届いた声を紹介します。

「コメや缶詰を届けてもらったおかげで、生活費を切り詰めて何とか暮らすことができます」。脳性まひの娘(5歳)を持つ母親のアウンさん(仮名)は、AARから食料と衛生用品(マスク、消毒液など)を受け取って、ほっとした表情を見せてくれました。

アウンさんは早くに夫を亡くし、3人の子どもたちと親戚の家に身を寄せています。しかし、一族の家業である車の修理工場はコロナ禍で経営が悪化したうえ、非常事態宣言下で関係者が治安当局に拘束されるなどして、仕事がなくなってしまいました。

衛生用品が置かれている

コロナ対策の衛生用品

日に日に生活が苦しくなる中、AARはアウンさんたちに2カ月の食料を届けることができました。「子どもたちに美味しい食事を食べさせ、食費が節約できた分で娘の薬や学用品を買えます」。アウンさんが家事をしたり買い物に出かけたりする時は、兄弟や従妹たちが障がいのある女の子の世話をするなど、皆で支え合って暮らしています。

「これからどうなってしまうのか、先行きが見えない今、日本からの支援が私たちの大きな支えになっています。日本の皆さんの優しい気持ちに心から感謝します」とアウンさんは話します。

AARは昨年7月以降、最大都市ヤンゴンなどで障がい者や貧困世帯のべ約180世帯に食料や日用品・衛生用品を配付したほか、障がい関連施設に学用品などを届けました。現地では少しでも目立つ行動をするのは危険なため、さまざまなネットワークを通じて支援を必要としている人々を特定し、慎重に支援物資を送り届けています。

支援物資が並べられている

コメ、野菜などの支援物資

AARには
「コロナと治安悪化で収入が以前の3分の1に減ってしまいました。食料を送ってくれて本当に助かりました」(障がい者の男性)
「車いすを提供してもらって、脳性まひの息子(10歳)は嬉しそうにしています。平和が戻ったら親戚のところに連れて行ってやりたいです」(母親)
「コロナで日本も世界も大変な時に、私たちのことを忘れずに手を差し伸べてくれて、本当にありがとう」(障がい者の男性)
など、切実な訴えとともに感謝の言葉が多数寄せられています。

AARは同国で20年以上、障がい児教育支援に取り組んできた実績があります。コロナ禍と政情不安による前例のない制約を受ける中で、現地の人々と協力し、障がい児の健診やリハビリ、車いすや義肢装具の提供、教育・福祉関係者の研修などを進めています。

男の子が3人の大人による計測を受けている

車いすの調整のために身体計測を受ける男児

思うような支援活動を実施できないもどかしさはありますが、追い詰められた人々への支援を途切れさせないこと、少しでも希望の明かりを灯し続けることが、現地で長年活動してきたAARの責務であると私たちは考えます。

苦境に置かれたミャンマーの人々、特に障がい者や貧困世帯に対するAARの支援活動へのご理解・ご協力を重ねてお願い申し上げます。

ご支援のお願い

ミャンマー緊急支援への
ご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

ご寄付はこちら

※指定された緊急支援活動に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合は、次なる緊急支援などに活用いたします。あらかじめご了承ください。

※AARは支援を受け取る人々や現地職員の安全確保を最優先し、治安情勢を慎重に見極めながら支援活動を実施しています。

【AARのこれまでの支援活動についてはこちら】

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