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スタッフ日記[国際協力の現場から]

カンボジア:コロナ感染下の暮らし

2020年7月28日

新型コロナウイルスの感染が広がる中、世界各地のAAR Japan駐在員の多くが日本への一時帰国を余儀なくされていますが、カンボジアでは感染状況や国内の状況を考慮しながら、プノンペン事務所に駐在する日本人2人とも現地に残り、事業を継続しています。海外からはなかなか見えにくいカンボジアでの新型コロナウイルス感染下の暮らしを、松島拓が紹介します。


コロナ感染による死者ゼロ

コロナ感染が広がり始めた3月頃、カンボジア政府は他国で入国が拒否されたクルーズ船を積極的に受け入れ、海外渡航者の入国制限も設けませんでした。そうした状況に市民の不安感は高まり、マスクを着用しハンドジェルを持ち歩く人たちも徐々に増えていきました。4月に入って、いよいよ政府も対応を始め、全国の学校を休校とし、人々の移動が活発になるクメール正月(カンボジアのお正月)も急きょ延期するなどの対策を講じます。これらの予防策が功を奏したのか、4月12日から現在までカンボジア国内における感染は発生しておらず、これまでに亡くなった方はひとりもいません。

銀行の窓口では、椅子と椅子の距離が普段よりも大きく確保されています(2020年4月)

特に衛生環境が良いわけではないカンボジアで、他国で猛威を振るうコロナ感染がなぜここまで抑制できたのか疑問に思うことがあります。この疑問へ正確な答えは専門家に譲るとして、タイやベトナムなどの隣国が迅速に厳しい対応を行ったこと、もともと人々は社会的距離を比較的とることが影響しているようです。また、公共交通機関が発達していないために、日頃の移動手段は基本的にバイクかトゥクトゥクのみなのですが、排気ガスによる空気汚染もひどいため、通勤時にマスクを使用する人も多く、マスク着用が馴染みやすい環境でもありました。こうした環境が感染拡大の防止に役立ったのかもしれません。

カンボジアでよく乗られているトゥクトゥク。両サイドに扉がなく、換気は抜群です(2020年7月)

いつにも増して健康管理に注意

AAR事務所でも、コロナ感染拡大を懸念し、4月から5月中旬まで原則在宅勤務とし、事業地での活動や出張も自粛をしていました。また、緊急事態宣言の発令や都市閉鎖の可能性もあったことから、食料品や日用品の備蓄を進めたり、不要不急の外出も避けたりと対策を講じてきました。ほとんど毎日外出することがなく、運動不足になりがちであったため、自宅での筋トレを始めてみたり、お酒を飲む頻度を減らしてみたりと健康にも気をつけて生活しています。

特に医療事情が良くないカンボジアでは、コロナウイルスだけではなく、デング熱や腸チフスなどの別の感染症にかかることも心配の一つです。入出国が制限される現在、医療設備の整ったタイへの緊急搬送もできないため、いつにも増して感染症に気をつけて生活をしています。

食料品は数日間かけて、複数の店舗に分けて備蓄していきました(2020年4月)

カフェやレストランが再開

国内でのコロナを取り巻く状況が落ち着いたことから、5月に入ってからは、プノンペン市街でもこれまで閉まっていたカフェやレストランが再開し、現在ではほとんど以前の日常に戻りつつあります。市場ではマスクを着用する人がちらほらいるくらい。街にも活気が戻り、外食や旅行へ行く人たちも増えています。

事業地近くの市場。活気も戻ってきました(2020年6月)

AARも5月中旬から徐々に活動を再開しています。研修や会議を実施する際は、地元行政と相談しつつ、20人程度に人数を抑えながら、マスクの着用、席と席の空間の確保など基本的な予防策を講じています。一方で、7月時点で支援先である学校はまだ再開の見通しが立っておらず、私たちが活動の対象としている障がい児たちも、まだ学校に行けていません。そこで、私たちは在宅でも児童が学習を続けられるように教育支援も行っています(参考:「カンボジア:新型コロナウイルスの影響下でも、学習の機会を継続できるように」 )。

今後、このまま状況が落ち着いていくのか、あるいは再び広がりを見せていくのか見通しが立たない状況ではありますが、予防策や安全管理を行いつつ、事業を継続していければと思います。

マスクを着用しながら研修に参加する小学校の教員(2020年6月)

松島 拓MATSUSHIMA Takumiカンボジア事務所

2016年9月よりパアン事務所に駐在しミャンマー事業を担当。その後、2019年7月から、カンボジア・プノンペン事務所駐在。NPOの運営支援を行う中間支援団体で3年間、ファンドレイジングやコンサルティング業務、イベントや研修の開催などに事務局長として携わった後AARへ。山梨県出身

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