活動レポート Report

「余震が怖くて眠れない」子どもたちのこころのケア:フィリピン地震緊急支援

2026年6月30日

フィリピン南部沖を震源とするマグニチュード7.8の地震は、被災地の子どもたちに強い恐怖を与えました。さらに、その後の慣れない避難生活も子どもたちにとって大きな心理的な負担となっています。AAR Japan[難民を助ける会]は、子どもたちのこころの傷を癒すための心理社会的支援を行っています。

ワークショップ後の集合写真

ワークショップに参加した子どもたちとAAR桐生栞=サランガニ州で2026年6月24日

地震を忘れて楽しかった

心理社会的支援とは、災害などのつらい経験をした人がこころの健康を取り戻し、再び前を向いて歩んでいけるよう支える取り組みです。AARは現地協力団体PHILRADSと連携して、子どもたちを対象としたワークショップを開催し、こうした活動を行っています。

3人の少年が自分の書いた絵をこちらに見せている

絵を見せてくれる子どもたち

6月24日にサランガニ州マラパタン町で行われたワークショップには、3〜15歳の子どもたち140人ほどが参加し、10人ほどのグループに分かれて活動が進められました。子どもたちがこころの中の不安や恐怖を表に出せるよう、まずは火山の絵を描く活動が行われました。続いて、安心感を取り戻すために、自分にとって安心できる場所や、身近にいる信頼できる人を「スーパーヒーロー」として描く活動を行いました。このほか紙人形を使った劇なども行われ、最後はみんなでお菓子を食べて1時間半ほどで活動を終えました。

絵を描く子どもたち

火山の絵を描くプレジュースさん(中央)

活動に参加したプレジュースさん(7歳)は、「余震が怖くて眠れない。もう地震が起きないでほしいです」と不安を口にしながらも、最後は「今日は地震のことを忘れて楽しかったです」と明るい表情で話してくれました。ワークショップ終了後は、ヘルメットや懐中電灯、ウェットタオルなどが入った防災キットに加えて、子どもが安心感を得られるように、ぬいぐるみが入ったセットを手渡しました。

子どもたちの助けになりたい

こうしたワークショップは6月20日から27日にかけて、6回にわたりサランガニ州の各地で開催されました。各回の進行を担うのは、15人ほどの大学生や社会人のボランティアです。

ボランティアは、専門家による2日間の研修を事前に受け、トラウマを抱えた子どもへの接し方や、不安を和らげるための心理社会的ケアの方法を学びます。自らも被災していながら、「こころに傷を負った子どもたちのために何かしたい」という思いで参加している方がほとんどです。

ニシーさんの話を聞く子どもたち

子どもたちにお話を聞かせるニシーさん

そのひとりであるニシーさん(20歳)は、地震発生時に知り合いの子ども2人と一緒におり、子どもが地震に怯える様子を目の当たりにしました。「ストレスを抱える子どもたちの助けになりたいと思ってボランティアの参加を決めました。子どもたちの中には、震災前から親に拒絶された経験を持つ子もいます。つらいときは泣いていいんだよ、と伝えたいと思います」。

ヘルメットをかぶる子ども

もらった防災セットのヘルメットをさっそくかぶる子ども

AARは、子どもや障がい者など、地震の影響を特に受けやすい人々への支援を続けてまいります。被災した人々が安心した日常を取り戻せるよう、AARのフィリピン地震緊急支援へのご協力をお願い申し上げます。

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