活動レポート Report

障がい者の多様なニーズに応える現金給付を実施:フィリピン地震緊急支援

2026年8月24日

フィリピン南部沖で6月8日に発生したマグニチュード7.8の地震では、約168万人が被災し、12万棟を超える住宅が全壊・一部損壊する甚大な被害が発生しました。AAR Japan[難民を助ける会]は、同国南部ミンダナオ島のサランガニ州などで、現金給付や物資配付などの緊急支援を行いました。

AARスタッフが女性に紙の記入方法を教えている。机には小分けされた現金が置かれている

各地域の代表者に現金の給付方法を説明するAAR子浦恵=2026年8月4日

障がい者に支援が届きにくい状況

今回の震災では、障がいのある人たちに支援が届きにくい状況が多く見られました。障がい者にとって、避難所のトイレを利用することが難しかったり、他の支援団体が行う物資配付の列に並ぶことが難しかったり、そもそも配付会場に来られなかったりするケースがありました。AARはこうした状況を踏まえ、障がいのある被災者を対象としてそれぞれのニーズに対応できる現金給付の実施を決めました。

障がいのある女性が紙幣を片手に笑顔を見せている

現金給付を受け笑顔を見せる障がい者の女性=サランガニ州で6月29日

現金を直接手渡し

AARはサランガニ州の障がい当事者団体GPWDA(Glan Persons with Disability Association)と連携して、6月29日と8月4日の2日間にわけて、計641人に対して1人あたり500ペソ(約1,300円)を給付しました。現地では約10kgのコメを購入できる金額に相当します。全盲や脳性まひなど重度の障がいがあり、特に脆弱な立場に置かれている方々を対象として、各地域の代表者が自宅を訪問し、封筒に入れられた現金を一人ひとりに直接手渡ししました。

「必要なものを自分たちで選べる支援は、本当にありがたいです」。小さな売店を営むノルナナさんはそう話します。6月8日の地震に続けて、7月10日に発生した洪水で自宅は全壊。夫のスメベルさんは肢体不自由のため車いすを使用していますが、避難先の周辺は舗装されておらず、車いすの傷みが激しくなっています。

「本当は夫に新しい車いすを買ってあげたいのですが、とてもそんな余裕はありません」とノルナナさん。今回の支援金は、スメベルさんの薬代や家族の食費にあてました。現金を受け取った人々はそれぞれ、障がいや持病のために欠かせない薬に加え、コメや魚、ミルクなどの食料の購入にあてていました。

物資を購入した3人の受益者。衛生用品や食料とともに映っている

各々が必要な物資を購入

ニーズに沿った支援を

AARは現金給付のほかにも、現地団体と協力しながら被災者のニーズに即した支援を届けました。孤立していたバルート島とサランガニ島の被災者365世帯へ、ソーラーライトや就寝マット、飲料水、衛生用品、蚊帳などを配付。また、有機野菜や香辛料の栽培に従事する約30人の障がい者グループには、ショベルや熊手、はかりなど、活動の再開に必要な資機材を提供しました。

フィリピン地震緊急支援に温かいご寄付をお寄せくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。AARは今後も、自然災害の被災地に迅速に支援を届けてまいります。

複数人の男女が資機材を手に持っている

資機材を受け取った障がい者のグループ=8月5日

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