活動レポート Report

念願の新中学校が完成!@ザンビア・メヘバ難民居住地

2026年10月19日

ザンビア北西部のメヘバ難民居住地で2026年9月30日、AAR Japan[難民を助ける会]が2023年から建設を進めてきた中学校の開校式が盛大に執り行われました。ザンビア駐在員の宮地佳那子がご報告します。

※この活動は皆さまからのご寄付に加え、外務省の日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。

太鼓を演奏する人々とザンビアの国旗、AARのバナー

開会式での太鼓の演奏=ザンビア・メヘバ難民居住地で2026年9月30日

東京23区の面積に2校だった中学校

メヘバ難民居住地は、1971年に開設されたザンビア最大の難民居住地です。東京23区を上回る約720km²の広大な敷地に、コンゴ民主共和国やアンゴラなど周辺国からの難民・元難民および現地ザンビア人住民など約5万人が暮らしています。AARは1984年から40年以上にわたって、農業や水衛生、教育などさまざまな分野の支援活動を行ってきました。

この広大な居住地内で、中学校は北部に位置する2校に限られていました。人口の多い中心部や広大な南部に住む子どもたちの通学の負担は大きく、通学に片道2時間以上かかることも少なくありません。また、安全面の不安や体力的負担から就学できない子どもも多く、住民からは長年にわたり中心部への学校建設が切望されてきました。

中学校の所在地図

新D中学校は中心部に位置し、南部からも通いやすい

AARは、日本NGO連携無償資金協力の助成を受け、居住地中心部のD地区に「メヘバD中学校」の建設を、3年かけて推進、完成させました。720人が学べる教室棟4棟、教員宿舎5棟、トイレ棟8棟などからなる大規模な中学校です。

完成した校舎の写真

新中学校の校舎

電気も水道もない建築現場で、AARスタッフは建築業者と密にコミュニケーションを取り、一歩ずつ完成へと歩みを進めてきました。予定していた資材が届かず、中核都市まで片道6時間かけてAARの車で買い付けに行ったことが何度もあります。炎天下の中、ニス塗りや窓磨きなど、できる限りのことをしました。夜遅くに調達を終えて見上げた満天の星空。忙しく立ち働く人間たちをよそにのんびりと草を食むヤギたち。中学校建設に携わった現地スタッフ5人と、歴代6人の駐在員の心に、それぞれ残り続ける風景があります。

校舎建設の風景

建設途中の校舎

建設打ち合わせの写真

建築の打ち合わせをする元ザンビア駐在員の山下秀一(左奥)

歓喜に包まれた開校式

9月30日に開催された開校式には、三上明輝・在ザンビア日本国大使、ディクソン・マテンボ内務・国内保安省次官およびグランドソン・ウィシコティ・カタンビ北西部州次官はじめ、北西部州教育担当官、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および国際協力機構(JICA)の関係者、さらに地域住民や教員、生徒など数百名が参加しました。AARからは、忍足謙朗副理事長が列席しました。

忍足副理事長のスピーチ

忍足謙朗AAR副理事長によるスピーチ

子どもたちによる力強い国歌斉唱で開幕した会場では、ブルンジ人による太鼓演奏や生徒たちの華やかなダンス、感謝の詩の朗読などが披露され、会場は大きな拍手と熱気に包まれました。三上大使および内務省事務次官によるテープカットの後、参列者は真新しい教室棟、水洗トイレ、教員宿舎を視察し、学びの場の完成を共に喜びました。

質の高い教育の実現と共生社会へ

新校舎の開設により、子どもたちの通学負担は劇的に軽減されます。一方で、難民やザンビア人のメヘバへの流入は続いており、すでに教室の追加を求める声があがっています。また、ザンビアの公用語である英語で行われる授業についていけない難民の子どもたちへの、基礎英語のサポートなども必要とされています。多様な背景を持つ難民と地域住民が共に安心して暮らし、自らの未来を切り拓くことができるよう、今後も支援を行ってまいります。AARのザンビアでの活動にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。

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宮地 佳那子MIYACHI Kanakoザンビア駐在員

女性の健康と権利の推進に取り組むNGOでの勤務、夜間大学院生を経て、2019年にAAR入職。ロヒンギャ難民支援に3年半従事した後、現職。

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