AARブログ AAR Blog

スタッフ日記[国際協力の現場から]

500人以上の子どもたちと迎えた記念の日:新中学校の開校式@ザンビア・メへバ難民居住地

2026年10月30日

皆さん、ついに……、ついに、この日を迎えることができました! 9月30日、ザンビア・メへバ難民居住地で、AAR Japan[難民を助ける会]が2023年から建設を続けてきた新中学校の開校式が開催されました。式には、首都ルサカから多くの関係者が遠路はるばる駆けつけてくださいました。これからこの学校に通う500人以上の生徒も一堂に集い、大イベントとなりました。

学校建設と開校式の活動レポートはこちらから

※この活動は皆さまからのご寄付に加え、外務省日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。

準備のお話

この一大イベントの開催に向けて、準備段階から大勢の人々が協力してくれました。多くの関係者が参加するイベントということもあって、状況は二転三転し、最終的に参加者が確定したのはイベントの5日前でした(ザンビアでは早い方かもしれません……)。

開校式の主催者はAARでしたが、三上明輝在ザンビア日本国大使、ディクソン・マテンボ内務国内保安省次官をはじめ、メへバで活動する国連機関、他のNGO団体、メへバ内の小中学校などの関係者が、「メへバの子どもたちのために」と、一丸となってプログラムの作成や備品の調達、会場の設営、出し物の準備に勤しんでくれました。

準備をする生徒たち

開校式5日前に新しい教室に机を運ぶ生徒たち

また、これからこの学校に通う子どもたちも開校式の3日ほど前から集まり、学校敷地内や教室の清掃、机の設置などを一緒に進めてくれました。生徒は新校舎に大興奮で、掃除が一段落すると合唱が始まったりしていました。中には興奮のあまり、掃除をそっちのけにして教室で騒ぎ始める男の子たちもおり、先生に怒られてしまう場面もありましたが……。怒られても彼らの興奮は止まず、「先生、今、すごく楽しい!」と爽快に返事していました。

AARの現地スタッフのひとりが、そんな子どもたちの様子を嬉しそうに眺めていました。彼の子どもも、この学校に通うことになっているからです。完全に「お父さん」の顔になっており、とてもほほえましかったです。

盛りだくさんのイベントに

生徒による行進、国歌斉唱で開校式は幕を開けました。その後、ブルンジ人による太鼓の演奏が披露され、その迫力で会場の温度は一気に高まりました。大人に混ざって小さな子どもたちが一生懸命パフォーマンスする姿に、会場はとても温かいムードに包まれました。

太鼓を演奏するブルンジの方々

ブルンジ人による太鼓演奏

新中学校に通う子どもたちも、ダンスや詩の朗読など、素敵なパフォーマンスを披露してくれました。伝統的な衣装を身にまとい踊りを披露する姿にカメラのシャッター音が鳴りやみませんでした。私もこの系統のダンスは何度か目にしていますが、何度見てもアフリカ独特の器用な身体の動きに魅了されてしまいます。

詩の朗読発表では、6人の代表生徒が並び、事業への感謝の想いと未来への熱いメッセージを届けてくれました。真っ直ぐな眼差しで語るその堂々とした姿に、感極まる参列者も多くいました。

テープカット直後の様子

新校舎前で三上大使(駐ザンビア特命全権大使)とザンビア内務省事務次官によるテープカット

式も終盤に差し掛かったところで、新校舎前で大使とザンビア内務省事務次官によるテープカットが行われました。その後、参列者がそろって実際に新校舎をまわり、新教室や水洗トイレ、教員宿舎を見学しました。参列者がどんな反応をするか、非常にドキドキしていたのですが、「素晴らしい学校を建ててくれましたね!」などのお言葉をいただき、本当にほっとしました。

看板

出来立てほやほやの学校看板

参列者の方々が新しい教室に入り、生徒用の机とイスに腰掛ける姿は何だかとても温かい光景でした。教員宿舎にも大変満足していただき、新中学校の校長先生は「ここに住めるなら、定年を5年は延長できるよ!」と言って、一同笑いに包まれる場面もありました。

教室内の様子

新教室で。前席:大使とザンビア内務省事務次官、後席右:AAR忍足副理事

支援に慣れてはいけない

先日、現地スタッフのプロジェクトマネージャーが、何気ない会話の中でこんなことを言っていました。「日本からいただけるご寄付への感謝を決して忘れてはいけない。顔も名前も知らない人に手を差し伸べてくれていることに、絶対に慣れてはいけない」。

彼自身もコンゴ民主共和国から逃れてきた難民で、進学など、これまで多くの人々に支えられてきたと言います。「困っている人を助けることで、その恩を繋いでいきたい」と、AARの活動以外で、コミュニティ内でシングルマザーを支援する活動も行っています。

現場をもっとも駆け回っているドライバーは、元々驚くほど控えめな性格で、自分の意見を強く主張することはほとんどありません。かなり工期が迫っていたある日、そんな彼が、仕事を抜け出して近所のマーケットでのんびりしていた建設業者のワーカーを見つけ、「日本から届いた支援だ。頼むからもっと全力で進めてくれ」と、活動の背景を説明しながら声を荒げているのを見たときには、本当に頼もしかったです。

日々泥だらけになりながらフィールドを駆け回ってくれているAARメヘバ事務所の現地スタッフには、感謝してもしきれません。ここでスタッフ全員を紹介することはできませんが、建設事業を通じて、現地スタッフが大きく成長できたことも、AARにとって、そしてコミュニティにとって、大きな財産だと思います。いつの日か日本人が去った後も、コミュニティを支え、リードしていくのが現地スタッフだからです。これからも、愉快で頼もしいスタッフと一緒に、一つひとつの活動を前に進めていきます。

生徒と小林駐在員

小林駐在員。生徒たちと記念撮影

2023年からこれまで、本当に、数え切れないほどの紆余曲折がありながら、何とか開校式まで辿り着くことができました。外務省および大使館の方々、このメヘバ難民居住地という特殊な環境で、日々活動を共にする関係機関、団体、NGOのスタッフ、そして、遠い日本からこの活動を支えてくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

この新しい中学校が、難民居住地で暮らす子どもたちの未来をどのように変えることができるのでしょうか? 保護者や教員の方々に、どんなインパクトを残せるのでしょうか? その道は今始まったばかりです。どうか、この学校が、これから何十年と、何千人もの子どもたちの可能性を広げるきっかけの場となることを、心から願っています。

ご支援のお願い

AARのザンビアでの活動への
ご協力をよろしくお願い申し上げます。

寄付する

マンスリーサポーターのお申し込みはこちらから

AARは東京都により認定NPO法人として認定されており、
ご寄付は寄付金控除の対象となります。

小林 鮎実KOBAYASHI Ayumiメヘバ事務所

大学在学中にボランティアとしてケニア・ウガンダに滞在。民間企業勤務の後、2023年1月AARに入職。ケニア駐在を経て2024年8月よりザンビア・メヘバ駐在

関連したレポート・ブログを読む

AARブログTOP

すべての種類のレポート・ブログを見る

ページ
TOP